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新しい葬儀
以前、このブログで、
お墓について書いたことがある。
いわゆるお墓とは違う、これからのお墓のあり方について、
書いてみたのだ。

一つは、遺骨を埋めたところに桜を植えるサクラ葬。
墓石が並ぶような墓地ではなく、
サクラが一面に広がる森に眠るのだ。
そして、墓参りに代わる行為として、年に一回、
花見をする。
埋葬される本人にとっても、遺族にとっても、
心地いいんじゃないかという提案だ。

もう一つは、遺骨を埋めたところにスイカを植えるスイカ葬。
墓石を並べるのではなく、
一面に広がるスイカ畑をつくるのである。
そして、墓参りに代わる行為として、年に一回、
スイカ割りをする。
埋葬される本人にとっても、遺族にとっても、
刺激的なんじゃないかという提案だ。

いずれも、土に還り、
植物に吸収されていくところに惹かれている。

死んだ後くらい、自然に還りたいと思うのである。



そして、今回は、より新しい提案をしてみたい。

「富士サファリパーク葬」である。

その名の通り、舞台は、富士サファリパーク。
動物たちが暮らしている公園の中を
車で移動しながら観察するというタイプの動物園で、
子どもたちに大人気と聞く。
自然に近い環境で過ごしている動物たちを
間近に見ることができる素敵な場所だ。

悠々と歩くキリン、草を食む象、
水浴び中のカバ、昼寝をしているライオンの群れ。

そんな中で、「富士サファリパーク葬」は厳かに行われる。



ちーん。

それでは、ご参列の皆様、
故人との最期のお別れの時が参りました。

棺の右前方をご覧ください。
3頭のライオンたちが近づいてきております。

合掌。礼拝。

ちーん。



ってなことを書くと、良識ある人々が顔をしかめるだろうか。
なんてグロテスクな、とか。
そんなのは死者への冒涜です、とか。

そりゃあ、誰だって、「富士サファリパーク葬」には、
参列したくないだろう。
僕だって、知人が動物に食べられる様を見たいかって言うと、
見たくない。
肉親だったら、なおさらだ。
でも、自分自身が死んだ場合を考えると、
「富士サファリパーク葬」も悪くない、と思う。

死んだら動物に食べられたいと、割と真面目に思っているのだ。
それは、恐らく、
自分が日々、人間であり続けていることに、
ある種の居心地の悪さを感じているからだろう。
葬儀屋さんや坊さんの管理下で
きちんと埋葬されるのが悪いとは言わないが、
死んだ後まで、人間らしくしなきゃいけないのも窮屈だ。

死んだ後くらい、一匹の動物に戻りたいって思う。
食べられ、腐り、土に還りたい。

残される側にとっては、耐え難いだろうが、
死ぬ側として考えると、そういうことを望んでしまう。



写真家の藤原新也の言葉に、
「人間は犬に食われるほど自由だ」というのがある。

藤原は、インドを放浪中に、
犬の群れが、人間の死体を食べている場面に遭遇する。
ガンジス川に水葬された遺体が川岸に打ち上げられ、
それを犬が食っていたのだ。
それを見て、藤原は、不思議と、安らかな気持ちになったのだという。
その情景を写真に写し、発表する際に付けたのが、前述の言葉。

不思議と、安らかな気持ちになったというところに、
強く、共感を抱いてしまう。

そういう安らかさを、僕も、求めているのだろう。



ただ、実際に、「富士サファリパーク葬」にした場合、
食べにくるのは、ライオンではなく、ハイエナかもしれない。
あるいは、ハゲワシかもしれない。

場合によっては、動物は全く寄ってこないで、
ウジが湧くだけかもしれない。
シデムシだって来るだろう。

でも、そんなことは気にしない。
なんたって、そのときには死んでるのだ。
気にしようがない。

そもそも、「死」ってのは、
そんなものだったはずなのだ。

少なくとも、
白土三平の漫画に出てくる死体は、概ね、そんなだった。
切り殺された侍や、忍者や、農民たちの死体は、
当たり前のように、
カラスに目玉をつつかれていたり、
腐って、うじまみれになっていたりした。

そんな死体の一つになりたい、
と思う。



日曜日。
たくさんの子供が遊びに来る富士サファリパークで眠るのは、
きっと、賑やかなことだろう。

子供たちに、
自分の骨のすべてを見られてしまうのは、ちょっと恥ずかしいけれど、
動物たちに食べられ、
腐り、
すっかり肉がなくなったガイコツだけの僕は、きっと身軽なことだろう。

そして、富士サファリパークの園内に大の字になり、
空を見上げて眠るのである。

それは、きっと、悪くない。




君は死ぬ そういう当たり前のことを鏡に向かって言うのが日課








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[2009/12/03 23:51] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(12) | page top
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